冬が来ると、寒さに加えて乾燥した空気にお困りじゃありませんか。
皮膚の痒み、アトピー性皮膚炎は改善と悪化を繰り返します。
夏には比較的綺麗な肌だったのに、冬が来ると我慢できない痒みが襲ってくるために、無意識に寝ている間にもかきむしってしまい、悪化を招くというサイクルが繰り返されて、慢性的にお悩みの方も多いですね。
アトピー性皮膚炎にお悩みの方に、
当院が考えるアトピー性皮膚炎の東洋医学的視点をお伝えします。
目次
アトピー性皮膚炎について
Aさん、Bさん、Cさんが共にアトピー性皮膚炎との診断を受けていたとしても、東洋医学的な見方をすれば、症状に対する適切な処置も異なっている場合があります。
これを東洋医学では『同病異治』といいます。
例えば、アトピー性皮膚炎が悪化する要因は様々で、
- 風邪を引きやすい体質である
- 学校や仕事が終わりほっとすると痒みに襲われる
- 食べ過ぎると痒くなる
- 夏に悪化する
- 冬に悪化する
などが挙げられます。
同じアトピー性皮膚炎でも悪化する原因が人によって異なります。
ご自身が、冬に悪化するタイプだと思っていても、年末年始を寝正月でいつもより多くのご馳走を食べて過ごしているとアトピー性皮膚炎が悪化するという方いますよね。
季節が悪化の要因になっているというよりは、
長期の連休を身体を動かさずに、いつもよりたくさんの食事を採ったことで、身体のなかで産み出された熱が運動不足によって発散されることなく、肌の表面に留まった為に痒くなったと東洋医学では考えます。
アトピー性皮膚炎のタイプ
アトピー性皮膚炎は、皮膚表面に熱が必要以上にとどまって、風を起こすことで乾燥し痒みが出るとされています。
「えっ風ってどういうこと?」とお思いの方に、イメージして欲しいのが、たき火などで炎が燃え盛っている時に煙はどんどん上昇していきますよね。
このように、炎があると風の流れが出来ます。
皮膚表面に当てはめて考えてみると、熱がこもって風が起こって必要以上に乾燥することで痒みや赤み、腫れができるというわけです。
風を起こす大きな要因は熱なのですが、
- 実熱 身体の中に熱が過剰にあるタイプ
- 陰虚 熱を覚ます働きである水が身体の中で不足しているタイプ
- 風熱 熱の発散が出来ずに、こもっているタイプ
- 瘀血 部分的に血の巡りが滞っているタイプ
- 血虚 血が不足して風を起こしているタイプ
などに分けられます。それぞれについての特徴やくわしい症状の違いについて詳しく述べたいと思います。
実熱 身体の中に熱が過剰にあるタイプ
- 比較的体力がある
- 体が丈夫だ
- 激しい痒み、腫れがある
- 顔色が良い
- 尿の色が濃い
- 冷たい飲みものをガブガブ飲める
- 声が大きいとよく指摘されるほうだ
- 汗をかくとスッキリして気持ちがいい
治療ポイント!
こもっている熱を冷ます清熱や風を抑える去風という方法を用いることで、痒みを処理していきます。
内関、合谷、後渓など
陰虚 熱を覚ます働きである水が身体の中で不足しているタイプ
- 寝不足である
- 熟睡感がない
- コロコロした便が出る
- 喉が渇くがちびちびとしか飲めない
- 舌が紅く厚みが薄い
- 寝不足で症状が悪化する
- イライラしやすい
治療ポイント!
相対的に不足している身体の中の水を増やすことで消火を促します。
腎兪、照海、中脘など
瘀血 部分的に血の巡りが滞っているタイプ
- 爪や唇の色が赤黒い
- 舌の裏の静脈がはっきりと浮き出ている
- 月経前から月経開始時の生理痛が強く、刺すような痛みがある
- 経血にレバー状のものが混じる
- 特に夜明け前から夜明け頃にかけて痒みが酷くなる
治療ポイント!
血が滞っている部分を流して、血と熱の停滞を発散させていきます。
三陰交、血海など
血虚 血が不足して風を起こしているタイプ
- めまい、貧血がある
- 虚弱体質だと感じる
- 顔色が青白い
- お風呂に入ると痒くなって掻いてしまう
- アトピー性皮膚炎で有名な漢方の『温清飲』を処方されたが合わなかった
- 高齢である、または体力の衰えを感じる
- 排泄、入浴で疲労してしまう
治療ポイント!
血を増やし、乾燥している皮膚に血などの栄養を行き渡らせて肌を潤わせます。
脾兪、足三里、膈兪、気海など
アトピーの治療
心当たりのあるタイプはありましたでしょうか?
上記に述べた項目以外にも、実際には脈やツボの状態をその場で拝見していき、どのような対処法が最適であるかを見極めていきます。
針治療において、自律神経を整えるという効果が認められていますので、
睡眠と排便のリズムが良好に整っていくと、アトピー性皮膚炎の症状もそれに伴って改善が期待されるでしょう。
痒みが強くて何とかしたいという方のお力になれれば幸いです。
痒みが無いだけでこんなに気持ちよく朝を迎えられるなんて…と実感して頂けたら嬉しいですね!
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