骨盤のゆがみを心配していませんか?
最近は、インターネットやSNSに、「骨盤矯正」にかんする記事があふれています。
あなたも、これらの単語を知っているから、さらに情報を得るために検索したんじゃないでしょうか。
結論から言いますと、
骨盤の歪みを矯正(キョウセイ)することはできません。
そもそも、
「骨盤の歪み」を気にしたきっかけは、なんでしょうか。
- テレビの健康番組を見て。
- 整骨院の先生に言われた。
- 整体師に言われた。
- ホームページやブログの記事。
ヒトは、みんな興味のあるものや、関心があるものを、潜在的に選択してしまい、意識的にそっちを見たり、信じます。
あなたは、肉体的・精神的ストレスをかんじていませんか。
あなたは、インターネットで
「骨盤矯正 治療」
「骨盤矯正 改善」
「骨盤矯正 治る」
このようなキーワードで、検索したんだろうと思います。
肩こり・腰痛・膝の痛みで悩んでたり
生理痛や冷え性、内臓の機能低下
などの症状の結果、骨盤矯正に辿り着いたのかもしれませんね。
もう一度言いますが、
「骨盤を矯正」することはできません。
しかし、
あなたの痛みや悩みを改善する方法はあります。
まずは、「骨盤矯正」が、
本当に効果があるのか
本当は効果がないのか
このブログ記事を読んでみて、判断材料の一つにしてください。
目次
骨盤の歪みを矯正。|吉田鍼灸院の考え
骨盤の正しい知識を持つことが大切です。
専門的な単語もでてきますが、こういうもんなんだなと、
ざっくり知ってくれたらいいです。自分の身体のことを知っておくのは損じゃないですよ。
骨盤を知ろう。
- 左右の寛骨と仙骨・尾骨で作られている。
- 骨盤の前方では、左右の寛骨(恥骨)が恥骨結合によって、軟骨性の連結をする。
- 骨盤の後方では、仙骨と寛骨が耳状面で、仙腸関節を作って連結する。
- 骨盤は、仙腸じん帯・仙棘じん帯・仙結じん帯によって、強く固定される。
- 骨盤内臓(膀胱・子宮・卵巣・直腸など)を保持する、保護骨格です。
- 仙腸関節は、周囲を強固なじん帯でおおって、ほとんど動かない半関節。
私が、骨盤の説明で知ってほしかったことは、
骨盤は、じん帯によって、強く固定されてということです。
骨盤の中に内臓がはいっているので、動いたら大変ですよね。
これは、めっちゃ重要なことです。
人間の身体にある半関節は、
- 肩鎖関節
- 椎体間関節
- 仙腸関節
- 脛腓関節
この4つです。
気になる方は、上の4つの単語をYahooやGoogleで、画像検索してください。
分かりやすいイラストや画像が載っています。
固定されていて、なかなか動かない関節だということが
理解できると思います。
最近の流行りで、仙腸関節を動かすAKA療法というものがありますが、
少し疑問に感じてきませんか。
仮にAKA療法で、患者さんの症状を改善させれるとしても、
それができる医者や整体師は、数人かもしれません。
基本的に骨盤は動かないと思ってくれて結構です。
骨盤は、基本的に動かないと言いましたが、
動くときがあります。
- 赤ちゃんは、骨ができあがっていないので、骨盤が不安定な状態。
- 出産後の女性は、ホルモンの影響により、一時的に骨盤が緩みやすくなっている。
- 女性は、生理周期によって骨盤の開き具合に変化がある。骨盤のズレとは関係していない。
骨盤の正しい位置とは。
骨盤の正しい状態とは、
骨盤が、左右水平になっている。
腸骨の出っ張りと、恥骨のラインがまっすぐの状態が正しい位置です。
ここで、注意して読んでください。
今、説明したイラストは、
「正しいけど、正しくない」です。
- 人体模型やイラストの骨盤は生きていない。
- 男女、個人で、筋肉量の差がある。
- 頭の大きさや左右の視力差
- 内臓の位置も違うのに、骨盤だけが正常な位置にあるわけがない。
- 労働時間や生活環境の違い。
「人間の身体は、みんな違うんです。」
あなたは、骨模型じゃない。
あなただけの動作の癖(クセ)や仕事での身体の使い方、
家族の介護だったり、子育てをして、筋肉の使い方の違いで、
身体が、ねぎらいの言葉を欲しがっているだけです。」
だから、正常な骨盤のヒトはいてないです。
無理やり骨盤矯正することは、骨盤や筋肉を怒らせる結果につながりますよ。骨盤の歪みの一言で片づけたらダメです。
私は鍼灸師で、普段から患者さんの施術をしていますが、
どんな想いで、治療していってるのかと言うと、
「頑張っている筋肉を探して、判断して、
筋肉をねぎらう気持ちで、鍼(ハリ)をしています。
ハリをして、筋肉に栄養を与えて、頑張っている筋肉を癒してあげるんです。」
「骨盤の歪みやズレを矯正するのは、
あなたの身体の頑張りを否定することになるし、
なんていうか、愛情がないですね。」
「骨盤がゆがむ」という言葉は、
医学的にはありませんし、
「骨盤を矯正」という単語もありません。
試しに、インターネットで、
「骨盤矯正 病院」と検索してください。
整体院や整骨院のホームページばかり表示されていると思います。
「骨盤 固定」で検索すると、
病院や整形外科も表示されますが、
固定と矯正じゃ、意味がぜんぜん違いますので、
注意してください。
骨盤の歪みの症状と治療法。
骨盤の歪みででているといわれている症状と、治療法の説明をしていきます。
骨盤や筋肉に負担をかけていないか知っておく必要があります。
自分で改善できそうなところは、あなたが改善してください。
ここで、知っておいたほうが良いのは、
骨盤が前傾しているか、後傾しているか
だけです。
インターネットや本、テレビで紹介されている
骨盤のタイプは沢山あります。
- 前傾タイプ
- 後傾タイプ
- 開きタイプ
- ねじれタイプ
- 傾きタイプ
など。
開きタイプは、出産後の一時的なもので、
他の部位の筋力低下や緊張,関節が硬くなっていることが、
痛みや症状の原因になっているので、
開きタイプについて、深く考える必要はないと思っています。
同様に、ねじれタイプと傾きタイプも、
他の部位の緊張や関節が硬くなっていることが原因です。
それに、あまり骨盤を意識しすぎると、
本当に悪くなっている部位を見逃しますし、
からだ全体を見ていくことのほうが、
治療や改善に繋がります。
骨盤のタイプ分けは、もっと単純に考えていいです。
骨盤が、
「前傾」しているか。
「後傾」しているか。
それだけで、治療ポイントや予防について、
どうすればよいのかわかります。
具体的に言うと、猫背になっていないかチェックしてください。
- ストレート・ネック(首猫背)
- 腰猫背
- 反り腰(逆猫背)
どこの筋肉や骨に負担がかかっているかが、大事です。
タイプ別、猫背の姿勢や負担をかけている筋肉を知ろう。
骨盤の前傾タイプ
- いっけん、姿勢が良く見える。
- 胸を張って、お尻がでている。
- 骨盤が、前に倒れている。
- 背中が緊張している。
- 反り腰(逆猫背)の状態。
前傾タイプのヒトは、女性が圧倒的に多いです。
高いハイヒールや何らかの生活習慣で、無意識に身体を後ろに反らしているのも、前傾タイプになる要因ですが、
それだけじゃありません。
理由は、下の骨盤イラストを見てください。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
骨盤上口の形 | ハート型 | だ円形 |
恥骨下角 | 約60° | 約80° |
骨盤腔 | 狭い・漏斗形 | 広い・円筒形 |
閉鎖孔の形 | 卵円形 | 三角形 |
仙骨 | 幅狭く、長い 後弯が強い | 幅広く、短い 後弯が弱い |
女性の骨盤は、出産・妊娠を想定した形になっています。
注目する点は、仙骨の違いです。
これが、女性のほうが前傾になりやすい理由の一つですが、
もう一つ大事なポイントがあります。
それは、出産と妊娠です。
女性は、妊娠3ヵ月~産後数日は
「リラキシン」というホルモンが分泌され
骨盤・恥骨結合部が広がります。
人体や筋肉を弛緩させる働きがあるので、
前傾タイプや、開きタイプの骨盤になる可能性があります。
骨盤の前傾タイプの症状。
代表的な症状。
- 慢性の腰痛
- 下半身の張り
- 腰部脊柱管狭窄症
- 坐骨神経痛
- 股関節の痛みなど
背中が緊張し、腰や股関節の筋肉に負担をかけていると、
神経を圧迫し、さまざまな症状があらわれます。
骨盤の歪み。前傾タイプの治療法。
運動して筋肉を弱らせないことやストレッチも大事ですが、
痛みや症状が慢性的な時は、
鍼灸治療が効果があります。
骨盤矯正や指圧マッサージでは、
奥の筋肉を柔らかくすることができませんし、
触ることもできません。
ほかの鍼灸師の先生がどのような施術をしているかわかりませんが、
私のやり方は、
仙腸関節や腸腰筋、股関節の筋肉にハリをして、
内側から柔らかくしていきます。
骨盤の前傾姿勢や股関節の痛みで、
鍼灸治療を考えている方は、下の記事も参考になります。
出産・妊娠後のヒトは、ホルモン影響で、
骨盤の筋肉が弛緩して、腰痛や自律神経の影響を受けやすいです。
骨盤ベルトをして骨盤の固定やストレッチをして、筋肉の低下を防ぐことと、
一番大切なことは、ストレスを溜めないで、
心に余裕を持ってください、
身体をリラックスさせることが、一番の薬です。
リラックスもできない。
身体の痛みもとれないんでしたら、
鍼灸治療を体験してみるのも良いですよ!
骨盤の後傾タイプ
骨盤が後傾になるのは、猫背です。
ストレート・ネックやスマホ首。
そこから波及して、骨盤に影響がでます。
猫背になると、将来的に慢性的な痛みや症状があらわれます。
骨盤の歪みの矯正するのではなく、
首や腰の筋肉にアプローチすることが大切です、
もちろん、股関節や膝にアプローチすることも大事になってきます。
これは、また別の記事で紹介しますね。
最後に
骨盤を矯正したら治るということはありません。
身体ぜんたいを見てもらえる先生に施術してもらいましょう。
個人的には、骨盤矯正メニューがないところのほうが良いかなって思います。